相続とは、人が亡くなったときに、その人の配偶者や子などが遺産(マイナス財産を含む)を引継ぐことです。このとき、亡くなった人のことを、「被相続人」と言い、遺産を引継ぐ人を「相続人」と言います。
相続人は、配偶者と次の順位の人です。
第1位順位 | 直系卑属。つまり、子またはその代襲相続人。 直系卑属がいる場合は、被相続人の直系尊属(父母、祖父母)および兄弟姉妹は相続できない。 |
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第2位順位 | 直系尊属。つまり、父母や祖父母 |
第3位順位 | 兄弟姉妹。兄弟たちが被相続人より先に死亡している場合、おい・めいが代襲相続人になる。 |
※行方不明の相続人がいる場合には、消息が分からなくなってから7年経過していれば、家庭裁判所から失踪宣告を受けて、既に死亡しているものとして扱われます。7年経過していなければ、7年経過後に申請をして失踪宣告を受けます。
遺産分割や名義変更に期限はありません。手続をしなければ、何十年でもそのままです。しかし、相続の放棄や税金の申告には期限があります。これらに関係する人は、それぞれの期限内に手続を行なう必要があります。
相続発生後3カ月以内
すべての相続を引き継がない
相続発生後3カ月以内
債務の責任範囲を
プラスの財産の範囲にとどめる
相続発生後4カ月以内
相続発生後10カ月以内
遺産には、次のようなプラスの財産とマイナスの財産があります。
●土地(借地権を含む)、建物
●現⾦、預貯⾦、有価証券(株式・債券など)
●貸付⾦、売掛⾦
●特許権、著作権
●貴⾦属、宝⽯、⾃動⾞、家具、美術品
●ゴルフ会員権
など
●借⼊⾦、買掛⾦
●預り敷⾦、預り保証⾦
●未払いの税⾦
●未払いの医療費
など
注)死亡保険⾦・死亡退職⾦は相続財産ではありません。また、遺産には、⽬に⾒えない財産もありますのでお忘れなく。
遺産をどのように分けるかは、遺言の有無によります。
遺言の内容に従って、各相続人等が財産を取得します。遺言から漏れた財産がある場合や遺言を使わない場合には、次の遺産分割協議が必要になります。
また、遺留分(配偶者と子の場合、相続分※の1/2)が侵されていて不服がある場合には、遺留分を侵害された者が遺留分侵害額請求権を行使します(遺言の内容を知ったときから1年以内)。
遺言がない場合には、相続人全員による遺産分割協議で遺産の取得者・承継者を決めます。相続人の中の1人が全部取得というように、相続人の合意があれば、どのように分けてもかまいません。
取得者が決まったら、遺産分割協議書を作成し、署名・押印をします。遺言又は遺産分割協議書で、名義変更をします。